腹痛
腹痛は胃、十二指腸、小腸、大腸などの消化管だけでなく、肝臓、胆のう・胆管、膵臓、脾臓、腎臓、尿管、膀胱、筋肉、さらには卵巣や子宮まで様々な臓器が原因でおこります。
その上、緊急手術が必要な疾患も少なくないため、迅速で正確な診断・治療が求められる症状です。
腹痛の原因疾患
原因疾患はとても多いので、ここでは胃や大腸などの消化管疾患を中心に解説します。
憩室炎
憩室とは大腸などの消化管の壁にできる袋状のくぼみです。便秘などでくぼみに便が長くはまりこむことで細菌が増え炎症をおこします。憩室があるかは人によって異なり、年を重ねるごとに増えていきます。よく見かける腹痛の一つです。
虫垂炎
いわゆる「盲腸」と呼ばれることのある疾患です。実際は、盲腸という大腸の一部にくっついているしっぽのような部分(虫垂)の炎症です。みぞおちの痛みから始まり、徐々に右下腹部が痛くなるのが特徴です。緊急手術の可能性がある疾患です。
腸閉塞
腸が様々な原因で狭くなり、便が通過できなくなる状態です。手術後の癒着や大腸がん、便秘などが原因でおこります。食事や飲水は危険なため、改善するまで入院して点滴をする必要があります。
進行がん
食道がん、胃がん、大腸がんなどのがんは、初期では無症状ですが、進行すると腹痛の原因になります。
詳しくは食道がん・胃がん・大腸がんのページをご覧ください。
便秘症
身近でよくみかけるのが便秘による痛みです。便が硬くなり、腸にフタをしてしまうと、最悪の場合、腸穿孔(穴があいてしまう)が合併することもあり、意外に油断できない状態です。
詳しくは便秘のページをご覧ください。
その他の異常
胆石、胆管結石、尿管結石などの結石による痛みは多く、治療が遅れると重症化しやすい胆管炎や急性膵炎などにも注意が必要です。
月経困難症や子宮内膜症などの月経に関係する痛みも多いです。子宮以外の場所で妊娠する子宮外妊娠や、卵巣がねじれる卵巣茎捻転など緊急手術が必要な疾患の可能性も少なくありません。
腹痛の検査
上記のように、原因となりうる疾患がとても多く、診断が非常に難しい症状と言えます。
問診や身体診察から疾患を推定します。さらには血液検査、尿検査、レントゲン検査、腹部超音波、胃カメラ検査、大腸カメラ検査などのありとあらゆる手段を用いて原因を絞り込んでいきます。
当院での診療
腹痛は非常につらい症状であるだけでなく、緊急手術が必要な疾患もあり怖い症状です。
当院では、迅速な診断をし、少しでも早く患者様の症状をやわらげることを目指しています。レントゲン検査や腹部超音波検査、数分で炎症反応を測定できる検査機器も導入しています。そのため、素早く正確な診断を行うことが可能です。
必要な場合は胃カメラ検査や大腸カメラ検査も、当日や翌診療日には実施できるように努めます。まずはご相談ください。