大腸がんについて
大腸がんの原因
大腸ポリープが悪性化して大腸がんになる経路が知られています。そのため、大腸ポリープのうちに内視鏡で切除することが大切です。
リスク因子としては、生活習慣や食生活があげられ、特に食事の欧米化は大きな要因だと考えられています。高脂肪食、食物繊維の少ない食事、飲酒や喫煙も大腸がんのリスクを高めます。遺伝的な要因もあるとされ、血縁に大腸がんの方がいる方は特に注意が必要です。
大腸がんの症状
大腸ポリープや大腸がんは発症初期では自覚症状が乏しく、症状による発見は困難です。進行して病変が大きくなり、出血や便の通過障害が生じて、ようやく気付かれることも多いです。症状としては腹痛や血便、便が細くなる、下痢や便秘などの便通異常があります。
大腸がんの検査
便潜血検査
便中に血液が混ざっていないかをチェックする検査です。大腸がん検診で行われている検査です。大腸がんは大腸の粘膜から出っ張っているため、便が通過したり、腸が動いたりすることでこすれ、出血する場合があります。
大腸カメラ検査に比べ非常に簡便な方法ですが、精度はそこまで高くありません。進行がんであっても70%程度、早期がんでは30%程度の検出率です。つまり、早期がんの7割、進行がんも3割は気づけないで放置してしまうことになります。
大腸カメラ検査
大腸カメラ検査は内視鏡を肛門から挿入し、大腸と小腸の一部を観察する検査です。カメラを通して、大腸粘膜の状態をリアルタイムで観察します。直接観察できるため、大腸粘膜の細かい変化にも気づくことが可能で、早期の大腸がんも見つけることができます。
また当院では、検査中に大腸ポリープや大腸がんを発見した場合、その場で切除し、治療も一緒におこなうことが可能です。また、疑わしい病変を見つけた場合は、組織を採取し病理検査をおこないます。
大腸がんの治療
大腸がんは初期の段階であれば、内視鏡による治療が可能です。しかし、進行してしまうと、手術による外科切除や、抗癌剤を使用した化学療法などが必要になります。
内視鏡治療であれば切除後は治療前と同じ生活が可能ですが、手術の場合は、場所によっては人工肛門が必要になることや、術後に腸が癒着してしまい腸閉塞などが合併することがあります。内視鏡治療とその他の治療では身体にかかる負担や、治療後の生活が大きく異なります。
定期的に大腸カメラ検査を行い、ポリープやがんを早期に発見し、内視鏡で治療できるうちに治療してしまうことが重要です。