便潜血検査でひっかかってしまった方へ
便潜血検査は大腸がん検診の一環として広く実施されている検査です。
便潜血で異常があるということは、便の中に血液の成分が混じっていることを意味します。
大腸がんなどに便が接触することで少量の出血がおこり、その血液を検査で検出できます。
便潜血(+)=腸からの出血
数種類の便潜血検査がありますが、現在、本邦で広く行われているのは免疫法と呼ばれる方法です。この免疫法は、胃や十二指腸からの出血には反応しません。胃や十二指腸から出た血液は、腸にたどり着くまでに、胃や腸からの消化液によって変性してしまうため検出されません。
そのため、便潜血陽性とは小腸や大腸からの出血を意味します。
便潜血検査の効果と限界
便潜血検査を毎年うけると、大腸がん死亡リスクが60-70%減少するという報告もあります。しかしながら、あくまでも便に血がまざっているかどうかの検査ですので、万能な検査ではありません。
2日間行うことで発見率は多少改善するものの、進行がんであっても80%程度、早期がんでは40%程度の検出率です。つまり、便潜血検査だけでは、毎年受けたとしても、2割の進行がん、6割の早期がんは見つけられず放置してしまうことになります。
便潜血陽性:大腸がんや大腸ポリープの可能性
便潜血陰性でも注意が必要。大腸カメラ検査でのチェックを
便潜血検査は簡便に行えるものの、進行がんであっても見逃す可能性があるなど、検査精度には限界があります。そのため、大腸がんを早期に発見して、しっかりと予防するためには、40歳を過ぎたら、定期的に大腸カメラ検査を行うことが不可欠です。