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胃カメラは何歳から受けるべき?検査方法や検診のペースを紹介

胃カメラは何歳から受けるべき?検査方法や検診のペースを紹介胃カメラ検査は、胃内視鏡という管の先端に小型カメラがついた器具を体内に挿入し、胃や食道、十二指腸を観察して病気を早期発見するための検査です。
年齢に関係なく何歳からでも行うことができるため、消化器系に異常を感じる場合は速やかに検査を受けることが大切です。
また、加齢に伴って病気のリスクも高まるため、消化器に異常を感じなくても定期健診を受けましょう。
この記事では、胃カメラを受けるべき年齢や検査方法、検診のペースを紹介します。

胃カメラは何歳から受けるべきか

胃カメラは何歳から受けるべきかここでは、胃カメラを受けるべき年齢やタイミングを紹介します。

症状がない場合でも40歳までには受けるべき

消化器系に症状がない場合でも、40歳までには一度は胃カメラ検査を受けるのが望ましいです。
これは自分のピロリ菌の感染状況を把握しておくことが大切なためです。多くの胃がんの原因はピロリ菌という菌が原因です。ピロリ菌に「自分が感染している」のか、あるいは「感染していた」のか、「一度も感染していない」のかによって胃がんになるリスクが大きく異なります。
ピロリ菌の感染状況は胃カメラ以外では詳しく判断することができないため、胃カメラ検査は必要です。
胃がんは40代を過ぎたあたりから増加する特徴があるため、それまでには自分の胃がん発症リスクを調べておくのが良いでしょう。
日本人は世界的に見ても胃がんの罹患率や死亡率が高いため、早期発見して早めに治療することが重要です。
また、胃がんは初期症状がない場合も多く、自覚症状がないまま進行しているケースもあるため、定期的に胃カメラ検査を受けて胃の状態を確かめる必要があります。

症状がある場合はそのタイミングで受ける

胃カメラは40歳に達していなくても、以下のような症状がある場合はそのタイミングで受けることをおすすめします。

  • 吐き気や嘔吐が治らない
  • 胃の痛みや不快感がある
  • 食欲の低下がみられる
  • 体重の減少が止まらない
  • 吐血がみられる

このような症状は胃がんやその他の疾患を示唆しており、中には放置すると重症化するリスクもあるため注意が必要です。
気になる症状がある場合はできるだけ早く医療機関を受診し、医師の判断に従い胃カメラ検査を受けましょう。
また、胃薬を飲むと、胃がんであっても一時的に症状が治ってしまう場合があることには注意が必要です。それにより、発見が遅くなってしまうこともあるため、症状がある場合は薬剤治療に頼る前に胃カメラで胃の状態を確認することも忘れてはいけません。

ピロリ菌感染者は除菌したあとも定期的に受ける

ピロリ菌感染者で除菌処置を行っている場合も、年齢に関係なく一年に一回胃カメラを定期的に受けることが推奨されます。
ピロリ菌とは、胃の粘膜の中に長年住み続けているらせん形をした細菌のことで、正式名称はヘリコバクターピロリ菌です。
感染すると胃の壁を傷つけて慢性的な炎症を引き起こします。胃の粘膜がダメージにより、萎縮してしまい(薄くなる)、胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍に非常になりやすい状態となります。
胃がんの原因のほとんどはピロリ菌といわれており、自然に消滅することは期待できないため、除菌治療を行わなければなりません。
除菌治療を行うと胃の炎症が軽快し、それによって胃がんが発症するリスクもぐっと下がります。除菌治療は薬を1週間飲むことで可能です。
しかし、残念ながらピロリ菌の除菌に成功しても、胃がんのリスクは残るため、ピロリ菌感染者は除菌したあとも定期的に胃カメラを受けなければなりません。

胃カメラで分かること

胃カメラで分かること胃カメラではさまざまな病気を見つけることができます。ここでは、胃カメラ検査で分かることを紹介します。

胃炎

胃炎とは、胃酸によって胃の粘膜に炎症が発生している状態のことで、ピロリ菌やストレス、食生活などが原因で発生する病気です。
胃炎には急性胃炎と慢性胃炎があり、急性胃炎は食べすぎや飲みすぎ、刺激の強い香辛料、ストレスなどが原因で起こりやすい特徴があります。
一方、慢性胃炎はピロリ菌によって起こるケースが多く、萎縮性胃炎を引き起こし、胃がんの発生リスクを上昇させます。
胃の状態を直接観察できる検査は、胃カメラ以外ありません。そして、胃カメラでは胃の組織も採取し精密検査をすることも可能であり、胃炎の重症度や原因の特定、ピロリ菌の存在を確認する際にも有用です。

胃潰瘍

胃潰瘍とは、炎症などによって胃の粘膜が傷つき、深く削られている状態のことです。
ストレスやピロリ菌の感染、刺激の強い香辛料、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの解熱鎮痛剤によって起こりやすくなります。
また、暴飲暴食など、不規則な食生活によって胃に負担をかけることでも起こるケースもあるなど、さまざまな原因が重なり合うことで発生することが特徴です。
胃がんにより潰瘍になる場合もあり、注意が必要です。そのため、胃潰瘍になった場合、それが胃がんによるものか、それ以外が原因かを判断することが最も重要なことです。
自覚症状の多くは腹痛で、特に上腹部のみぞおち付近に痛みを感じることが多く、食事をとったあとに症状が強く出やすくなっています。
胃カメラでは、胃の組織を採取し病理検査を行えるため、胃がんによる胃潰瘍かどうかの診断が可能です。

胃がん

胃がんとは、胃の壁の内側を覆っている粘膜の細胞ががん細胞となり、増殖することによって発生する病気です。
胃がんはピロリ菌による胃炎が主な原因ですが、他にも遺伝子異常や塩分過多、喫煙など、環境も関与しているといわれています。
初期症状がわかりにくく、放置していると知らない間に他の臓器に転移している場合もあるため、早期発見が重要です。
胃がんは胃カメラで発見できる病気の一つであり、初期段階であれば、手術による胃切除を行うことなく、内視鏡により切除することで治療することが可能です。

ピロリ菌

ピロリ菌の感染状況は、胃カメラで胃の状態を調べることで分かりますが、ピロリ菌の存在を確実に証明することはできません。
そのため、胃カメラでピロリ菌感染を疑われる場合は、血液検査や呼気検査による追加検査を行います。
その他にも胃カメラで胃の組織を採取して調べる方法や、便検査による方法などがあります。各々の状況により、最適な検査方法は異なるため、医師が適切に選びます。
追加検査により、ピロリ菌の存在が確定した場合、薬剤による除菌治療を行います。

胃カメラを受けるペース

胃カメラを受けるペース胃カメラを受けるペースは症状やピロリ菌の有無、胃がんの治療歴により変わってきます。ここでは、胃カメラを受けるペースを状態別に紹介します。

無症状の場合

ピロリ菌に感染したことがなく、無症状の方が胃カメラを受ける場合のペースは、2~3年に1回程度が目安になるでしょう。
とはいえ、胃の状況しだいでそれぞれですので、一度検査を受けた際に、担当の医師に次の検査までの間隔を確認することが大切です。

ピロリ菌を保有している場合

ピロリ菌を保有している方が胃カメラを受けるペースは、半年~1年に1回程度が目安になります。
ただ、ピロリ菌がいるままの状態では胃がんになるリスクが非常に高いため、まずはなによりも除菌治療をする必要があります。
残念ながら、薬剤のアレルギーで除菌治療ができない場合や、除菌治療が失敗してしまった場合には、胃カメラの検査を頻回に行うことで胃がんの早期発見を目指すことが大切です。

ピロリ菌を除去した場合

ピロリ菌を除去した方が胃カメラ検査を受ける場合のペースも、1年に1回程度が目安になるでしょう。
ピロリ菌を除去できた場合には胃がんになるリスクが低下するものの、一度もピロリ菌に感染したことがない人と比べると、まだ高い状態です。ピロリ菌の影響により、一度萎縮してしまった粘膜は元には戻ることはまれです。
この萎縮した粘膜は胃がんの発生リスクが高いです。そのため、1年に1回は胃カメラで胃がんが新たに発生していないかを確認する必要があります。

胃がんの治療を受けた場合

胃がんの治療を受けて治った場合も、1年に1回のペースで胃カメラを受けて胃の状態を確認する必要があります。
胃がんの再発がないことや、手術による縫合部分の状態を確認することが大切です。
また、どれくらいのペースで胃カメラが必要になるかは、病気の状態や担当医師の方針によっても異なります。主治医がいる場合は、主治医の指示にしたがって検査をうけましょう。

胃カメラ検査の種類

胃カメラ検査の種類胃カメラ検査の方法として、口から胃カメラをいれる経口内視鏡検査、鼻から胃カメラをいれる経鼻内視鏡検査があります。また内視鏡検査の際に苦痛を軽減するため鎮静剤を使用するパターンがあります。
ここでは、それぞれの検査の特徴を紹介します。

経口内視鏡検査

経口内視鏡検査とは口から胃カメラを挿入して行う検査のことで、事前にのどに部分麻酔をしてから胃や食道、十二指腸などを観察します。
鼻に入れるタイプの胃カメラに比べて太いスコープが使用できて、高性能であるため、小さな病変を見つけやすいことがメリットです。
また専門施設の中には、微小病変の詳細な観察も可能な拡大機能をもった高性能スコープを所持している施設もあります。これは太さがあるため鼻からはいれることができず、口からの検査になります。
一方で、経口内視鏡検査はのどの奥にスコープが触れることで、嘔吐反射が起こることや、のどに不快感や痛みを感じやすいことがデメリットです。
ただし、鎮静剤を使用することで嘔吐反射を軽減できます。
また、胃カメラは医師の技術によっても苦痛や痛みは異なるため、実績がある内視鏡専門医の検査が受けられる医療機関選びもポイントです。

経鼻内視鏡検査

経鼻内視鏡検査は、鼻から胃カメラを挿入して行う検査のことで、経口内視鏡検査に比べて細いスコープを使用するのが特徴です。
経鼻内視鏡検査のメリットは、鼻からスコープを入れるため嘔吐反射が起こりにくいことや、のどの痛みが軽減されやすいことが挙げられます。
また、口からの挿入ではないため、検査中に医師と会話することも可能で、不安や気になることがある場合は検査中も相談できます。
一方で操作性がやや劣り、検査時間が長くなりやすいことや、太いスコープと比較して、やや画質が落ちる傾向にあります。
さらに、内視鏡が鼻を通過するときに粘膜を傷つけてしまい、少量の出血や痛みが生じることや、鼻の形によっては検査ができないこともあります。

鎮静剤を使用する経口内視鏡検査

経口内視鏡検査の嘔吐反射やのどの痛みに不安を抱える場合は、鎮静剤を使用して胃カメラ検査を行う方法もあります。
鎮静剤を使用して検査する方法を『意識下鎮静法』といい、半分眠ったようなリラックスした状態での胃カメラが可能です。この方法が最も楽に検査が受けられます。
効果に個人差はありますが、ほとんどの方は検査をうけた意識がなく、気づかないうちに検査が終了しています。
鎮静剤を使用することで胃カメラがのどに通る際の不快感や嘔吐反射を軽減でき、苦痛で患者さんが暴れたりすることも少ないため、安全にしっかりと観察できることもメリットです。
ただし、鎮静剤の使用には、より専門的な知識や、細かい注意が必要なため、鎮静剤を使った胃カメラを行っている医療機関は限られます。
上野消化器内視鏡クリニックでは、経口内視鏡検査ではほぼ全例で鎮静剤を使用して検査を行っており、苦しくない検査が可能です。
消化器内視鏡学会専門医が検査を行うため、安心して検査を受けていただけます。

まとめ

この記事では、胃カメラを受けるべき年齢やペース、検査方法などを紹介しました。
無症状でも40歳を超えたら2~3年に1回のペースで胃カメラを受けることが望ましく、ピロリ菌感染者や除菌後は基本的には1年に1回が目安となります。
胃の病気の中には初期症状や自覚症状がないものも多く、気づかないうちに進行しているケースもあります。
進行すると手遅れになってしまう可能性もあるため、初期の段階で発見して早期治療を行うためにも定期的に胃カメラを受けましょう。
上野消化器内視鏡クリニックはフジフイルム社製の最先端の内視鏡システムを採用し、デジタルハイビジョンや拡大機能などのあらゆる最新機能を兼ね揃えています。
様々なハイテクを搭載した内視鏡システムを使いこなすことで、これまで認識できなかった小さな病変も見つけることが可能です。
また、当院では鎮静剤を使った胃カメラにも対応していますので、嘔吐反射や不快感を取り除いた検査を受けることもできます。
まずは、お気軽にお問い合わせください。